聴覚情報処理障害(APD)って知っていますか?

皆様、こんにちは。

本日は、聴覚情報処理障害(APD)についてお話ししたいと思います。

聴覚情報処理障害とは、簡単に言うと「音は聞こえるが、言っている言葉の意味が分からない。」というものです。”耳鼻科で聴力検査をして、正常と診断されたが、会話(ことば・内容)が理解できない。”という状態です。

この障害を持つ潜在的な患者数は、推定240万人にのぼると言われており、日本人の約2%が該当します。

症状としては、

・成年と学童期以降の小児では、「会議や授業、電話、うるさい場所などでの会話が聞き取れない」「聞き漏れが多い」などがあります。

・未就学児では、「言葉が遅い」「発音が悪い」など、言葉の聞き取りが悪い自覚がなく、ことばを文字単位に聴き取ることができないことで、音韻意識困難・学習障害をきたす場合があります。

原因は、特定するのが難しいのですが、

・脳損傷の既往

・発達障害

・認知的な偏り

・心理的な問題

などがあります。

支援方法としては、

・周囲の雑音を低減して、聞き取りの環境を良好にする。

・補聴器や補聴援助機器を利用する。

・話し手が、文字・文字通訳や映像を併用し、視覚的な情報を一緒に伝えていく。

・聴覚トレーニング(聞き取りに関わる注意力や記憶力を高める方法)をしていく。

などの支援方法はありますが、まずは職場や学校などでどのようにして生活していくのかを、耳鼻科の先生(APDの専門医)に相談していただくことが大事だと思います。

この聴覚情報処理障害の医学的解決策は、まだ解明されておりません。コミュニケーションが取れない状態が続くと、ストレスが増え、不安や孤独感が押し寄せ、学校生活・職場・私生活に悪影響を及ぼします。

大事なことは、早く症状に気づくことです。症状に気づいたら、周りの方々に理解して頂くことです。

症状の改善は難しいかもしれませんが、自分が生活しやすい環境に変えることができるかもしれません。

補聴器専門店で働く私たちも、補聴器装用によって生活しやすい環境を整えるサポートができればと考えております。

補聴器で解決できるかどうか考えている方がいらっしゃいましたら、まずはAPDの専門医に相談いただきますよう宜しくお願いいたします。

難聴と診断されない場合は、補聴器が有効ではない場合がございます。

何が自分にとって1番良い選択なのかを、APD専門医と話し合い、改善に向けた目標設定をして頂ければ良いと思います。

2022年2月にAPDについて②のブログを投稿いたしましたので、気になる方は、そちらもご覧になってください。

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